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アルピニスト野口健様より、「フォーマットしますか?」とメッセージが出て正常に認識せず、データの読み込みが出来なくなったSDカード(128GB)のデータ復元をご依頼いただきました。
修復処置を施す事でご指定範囲の2019年7月30日12時21分以降の画像、動画617ファイル(約17.9GB)のデータ復旧に成功しました。
【野口健様プロフィール】
1973年8月21日生まれ。1999年に25歳で7大陸最高峰最年少登頂記録を樹立したアルピニスト。
●ホームページ | :野口健公式ウェブサイト |
●ツイッター | :野口健 (山屋) |
海外での登山活動を撮影していたSDカードにデータがある程度溜まったのでいつものようにバックアップを取ろうとパソコンに接続したところ、「フォーマットしますか?」とメッセージが出てSDカードが正常に認識しませんでした。事務所内のその他のカメラやパソコンでも反応を確認しましたが状況が変わらず、撮り直しのできない重要なデータだったのでプロにお任せした方がいいと思い、データ復旧業者を検討することにしました。
インターネットでデータ復旧業者を検索したところ、色々な業者が出てきました。大切なデータなので個人情報の取扱いなどきちんと対応していただける業者を選ぼうと思い、検索で上位に出てきた業者の中からデータレスキューセンターさんに電話で問い合わせをしてみました。
電話口の女性オペレーターの方に現在の状況を説明したところ、対応事例が多数あること、復旧の見込みが十分あることを説明していただき、丁寧な対応に安心感を持つことが出来ました。電話対応の印象もよかったですが、ホームページの料金体系も明確で予算に合いそうだったこと、早急に対応してくださること、個人情報の取扱も信頼できると感じましたのでデータレスキューセンターさんに依頼することに決めました。
到着の報告をメールで頂いた際、調査結果報告は原則48時間以内にメールで対応とのことでしたがまさにその時間通りにメールで復旧可能なデータのリストとお見積のご連絡をいただきました。今回、事前にCLIPフォルダ内のC0001.MP4からC0329.MP4まではバックアップがあること、希望データはそれ以降の日付分になることをお伝えしていました。
いただいたリストを確認すると、希望していたCLIPフォルダ名だけなく撮影日時情報まで記載があったので希望データが出ているかどうか明確で非常に分かりやすかったです。また、復旧可能なデータはサンプリングによるファイル検証で画像、動画の展開できることを確認していますと記載があり、安心して検討することが出来ました。動画ファイルの再生確認についても推奨しているパソコンのスペックやソフト等の紹介もあり、自分の環境と照らし合わせることが出来てよかったです。
ホームページの料金ページで費用体系をあらかじめ確認していましたが、トラブル発生時は自分の障害がデータ破損の論理障害なのか、電気的物理的な障害が発生している物理障害なのか分からなかったのでもしかしたら高額になるかもしれないという不安もありました。
今回は論理障害ということで、トータルでこちらが想定していた金額内で対応していただけてよかったです。お願いした希望データは撮り直しのきかない貴重なデータでしたので、この費用を支払う価値は十分あると思い正式にデータの復旧依頼をすることを決めました。
頂いた請求書で入金対応を済ませた後、すぐに発送の連絡を頂く事が出来ました。メールのほうでウイルスチェックの結果も合わせていただけましたので安心して到着を待つことができました。到着した新しいUSBメモリをパソコンにつなぐとリスト記載どおりの順番でデータを確認、希望していた動画データ、画像データも全て問題なく再生確認することが出来ました。結果報告で動画等問題ないことは頭ではわかっていましたが、実際に再生確認が出来て本当に感謝しています。
日頃からカメラで写真を撮影することが多く、データ量もそれなりに多いため、カードに撮りためたデータは定期的に事務所のハードディスクにデータを保管するようにしています。海外での活動においては現地に長期間滞在することも珍しくないため、予備のSDカードも複数枚携帯しています。インターネットが使えない場所での活動も多いため、データの保存は、SDカードのみという事も多く、帰国後、他のディスクに保存するという状況です。
2019年9月は、ヒマラヤのマナスル峰(8163m)に挑戦しました。8000m峰の挑戦は、8年ぶりでした。頂上直下まで行ったのですが、天候が急激に悪化、アタックできませんでした。結局、その後、天候は好転せず、時間的に厳しくなり、登頂を諦めました。しかし、久しぶりの高所遠征は、大変有意義であり、来年、必ず再挑戦したいと思っています。
ネパールでの活動は、登山活動だけではなく、教育支援や環境問題など行っています。特に、今回のマナスル峰の麓のサマ村では、2008年より「マナスル基金」として学校支援活動を行ってきました。寮やキッチン、ホールなどを建設しました。しかし、2015年のネパール大震災にて、建てたばかりのホールが崩壊してしまいました。幸いにも、子供たち、教員にもけが人はなく、全員無事でした。私たちは、改めて寄附を募り、2019年9月に、新しい食堂ホールを作ることができました。サマ村では、2016年より、森林再生のプロジェクトも行っています。
サマ村の周辺は、もともと、原生林が広くあったのですが、産業が全くないサマ村の人たちが、自分たちの燃料のみならず、木材の売買を貴重な収入源としてしまったため、どんどん森が無くなってしまいました。2015年に起きた大地震で、森林がない地域では、土砂崩れなども多く、改めて、森の必要性を感じました。そのため、村人たちに森林の必要性を説き、協力してもらい、森林再生プロジェクトを開始しました。今では、村人たちの協力のもと、やっと15000本の植樹をすることができました。私たちは、サマ村とエベレスト街道にて10万本の植樹を目指したいと思っています。
日本国内では、毎年のように起きる災害の支援活動を行っています。2011年の東日本大震災の際、体育館で寒そうにしている被災者の方を見て、寝袋が使えるのではないかと思い、寝袋を送ったのが始まりでした。2015年のネパール大震災の時、私は、ネパールで登山中でした。その後、登山どころではなくなり、麓の村で数日、避難しました。多くの家が崩壊し、みんな、ブルーシートなどで、どうにか雨風をしのいでいる感じでした。そこで、テントが使えるのではないかと思い、テントを手配し、村々に寄付したのです。テントはとても重宝されました。その経験があったため、2016年の熊本地震の時に、避難所に入れず、車で生活をしている人たちのためのテント村を作りました。プライバシーも保てることなどから、こちらも大変重宝されました。
2017年の西日本豪雨、北海道地震などでは、支援物資を募り、送ったりしました。また、2019年10月の東日本豪雨災害では、水や簡易トイレの支援をメーカーさんの協力のもと、行いました。ここ数年、国内でも毎年のように大きな災害が起きています。すぐに何かしたいという衝動にかられますが、現地と連絡を取り合って、必要なものを把握し、動くことが必要です。
登山活動では、話し合いが必要です。日本の隊員だけではなく、シェルパ(ネパールの登山ガイド)とも、いろいろ意見交換をしています。特にシェルパとは、文化も価値観も違います。彼らの、価値観を理解して、寄り添うことが必要ですね。
ここ数年は、登山活動=カメラという感じで、写真を撮ることも大切な活動の一つです。現在好きで使っているのは、オリンパスの5Dと富士フイルムのX-PRO2、X-T”2です。雨風の多い山でも使いやすいです。ただ、ヒマラヤなどの長期遠征に行った後は、必ず、清掃点検はしてもらっています。
自分の活動を伝える場であるとともに、情報を得るためのツールでもあります。特に、災害支援の場合は、被災者の方が、何が欲しいのか、足りないのか、何に困っているのか、とても役立つ情報が多く、それらをもとに、行動を起こすこともいいです。
データの取りこぼしもなく綺麗に復旧して頂けたこと、本当に感謝しています。また、細かくお電話いただいたり、説明くださり、不安なくお任せすることができました。
画像や動画として残している日々の活動の記録は貴重な記録データとして保管するだけでなく、自分の活動を紹介する番組やニュース、ドキュメンタリー用途に提供したり、講演会の資料映像として使用することもあります。私達の日々の活動はたくさんの人に支えられ、多くの時間をかけて取り組んでいるものばかりです。その記録が失われることはお金にかえられない大きな財産の損失です。
定期的なバックアップ等で常に不測の事態に備えているつもりでも、今回のような思わぬトラブルは起こりうるのだと痛感しました。今回はSDカードのトラブルでバックアップを取っていない部分も限定的でしたが、データを蓄積しているハードディスクでも同じ様なトラブルが発生することを想定して今後は複数台のバックアップ体制を整えようと思います。今回は復旧していただき本当にありがとうございました。
※お忙しい中、快くインタビューに応じていただいた野口様に心よりお礼申し上げます。