転送速度

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転送速度

転送速度

デジタルカメラやビデオカメラは年々進化しており、動画であれば4K対応、写真であれば画素数のアップなど、高画質で高性能なモデルが増えてきています。撮影するだけに限らず動画配信サービスで配信される映像も高画質の4K対応のものが増えています。高画質になると保存する記録媒体のデータ容量ももちろん重要ですが、転送速度も重要になってきます。

データの保存中や保存したデータを見ようとしてエラーが出たことはありませんか?また、インターネットで映像を見ようとして再生が止まったり、乱れたりしたことはありませんか?色々な原因が考えられますが、その原因の一つに転送速度不足が考えられます。

高画質化、大容量化に合わせて転送速度も高速に進化しています。転送速度がどのように進化をしてきたか、転送速度が不足するとどのような問題が起きるのかを説明いたします。

転送速度とは

一定時間内に転送できるデータ量のことを転送速度と呼びます。
この数字が大きいと、同じ時間で大量のデータが転送可能となり、同じ容量のデータであれば短い時間で転送ができます。

ビット

通信分野や映像分野では1秒間に何ビットのデータが転送されたかを示すbps(ビーピーエス/bit per second)が使用されます。機器同士の通信量の速度を表すので「通信速度」とも呼ばれます。

バイト

一方、ハードディスクやメモリなどデータ記録にかかわる転送速度ではビットではなくバイト単位で表記され、例えば1秒間に1MB(メガバイト)のデータを転送する場合は1MB/sと表記します。記録メディアに保存するときの速度は「書き込み速度」とも呼ばれます。

ビットとバイトの2種類の単位が共存しているので分かりづらいですが、1バイトは8ビットとなるので、1MB/sは8Mpbsとなります。

いろいろな転送速度

撮影などの速度

1枚5MBの写真が取れるカメラで1秒間に10連写できるとすると、記録メディアに要求される転送速度は50MB/sになります。厳密にはデジタルカメラに搭載されているバッファーメモリーに保存されて書きこまれるのでそこまでの転送速度は必要ないですが、この数字がある程度の目安となります。メモリーカードを選ぶ場合は使用するカメラの画質や連写数に応じたカードを選ぶ必要があります。メモリーカードには色々な種類がありますが、SDカードの速度をあらわす規格にビデオスピードクラスがあります。V30やV90という表記で表わされてり、V90であれば最低転送速度90MB/sを保証することを意味します。

SDカード。右上にV30、左上に170MB/sと記載してある。このカードはV30なので最低転送速度は30MB/sになります。170MB/sは、最高速度を指しています。

連写撮影や4K動画撮影において、この最低転送速度が重要になってきます。4K動画を撮影するには60MB/sほどあれば十分とされていますが、今後出てくる8K動画では、90MB/sなどの高速な転送が要求されてきます。

インターネットの速度

最近は4K動画の配信も一般的になり、高速なインターネット回線が普及していて、光回線では最大通信速度2Gbpsのサービスを提供する会社も登場しています。

携帯電話通信網も進化を続けています。動画や音楽配信サービスの普及によりスマートフォンでいつでもどこでも動画をみたり音楽を聞いたりすることができますが、スマートフォン普及前の3G回線では画像ファイルのやり取りも快適にはできませんでした。

現在の4G回線は、十分な速度があるように思えますが、写真や動画の高画質化により、クラウド上にスマートフォンのデータをバックアップするような大容量のデータのやり取りは時間がかかってしまいます。
次世代回線の5G回線では4G回線よりもさらに高速になり、データのやり取りはもちろん、遅延が緩和され、遠隔地にあるドローンや建築機械をモニター越しに操作できるようになるといわれています。

規格 通信速度の目安
2G 9.6kbps
3G 64~384kbps
3.5G 3.6~14Mbps
3.9G(LTE) 37.5~150Mbps
4G 11Mbps~1Gbps
5G 5~20Gbps

通信速度の移り変わりの図

ディスプレイ用端子の速度

HDMIはモニターとパソコンや、テレビとレコーダー・ゲーム機をつなぐことが出来るケーブル規格です。映像の高画質化にともない機器同士をつなぐケーブルも転送速度が要求され、バージョン1では1440P(2560x1440)までの対応だったものが、バージョン1.4から5K(5120x2880)に対応、バージョン2.1で10K(10240x5760)に対応と規格がどんどん新しくなっています。

また、HDMI1.4では従来のHDMI端子のほかにUSB3.1で使用されているType-C端子に対応しています。
これはType-Cの「オルタネイトモード」という機能で、USB以外の通信信号を流すことができます。HDMI以外にも様々な機器に対応していて、主に普及しているのは「Display Port」と「Thunderbolt 3」です。この「Thunderbolt 3」はMacBookにも採用されている規格で、40Gbpsという高速の転送能力をもっていて2台の4Kディスプレイまたは1台の5Kディスプレイへの出力が可能です。

写真:HDMI端子とType-C端子

規格 伝送速度 対応可能な最大解像度
HDMI1.0 2002年 4.95Gbps 1440P(2560x1440)
HDMI1.1 2004年 4.95Gbps 1440P(2560x1440)
HDMI1.2 2005年 4.95Gbps 1440P(2560x1440)
HDMI1.3 2006年 10.2Gbps 5K(5120x2880)
HDMI1.4 2009年 10.2Gbps 5K(5120x2880)
HDMI2.0 2013年 18Gbps 8K(7680x4320)
HDMI2.1 2017年 48Gbps 10K(10240x5760)

●USB規格の種類と歴史
https://www.rescue-center.jp/elementary/vol49.html

転送速度のトラブル

同じ見た目のHDMIケーブルでも、対応している規格が異なり、古いケーブルでは4K映像を流せないといったトラブルがあります。機器に付属しているケーブルを使用すればおおむね問題ないですが、純正品ではないケーブルを購入する場合はその速度に対応したケーブルを選ぶようにしましょう。

SDカードの場合、高画質録画に対応していない書き込み速度のSDカードであっても、接続した時点ではエラーが表示されることがないので、注意が必要です。
大事なシーンを録画している途中で転送速度エラーが出て記録できないトラブルが発生する可能性があります。スピードクラスのマークをよく確認する、実際に撮影するために試し撮りをして問題ないか確認するなどの対策が有効です。
低速なSDカードやmicroSDカードを使用すると録画に失敗し、動画ファイルが破損してしまうこともあります。そういった場合は、データレスキューセンターの動画修復サービスをご利用ください。

●SDカード復元の事例
https://www.rescue-center.jp/case/mc.html

●SDカードについて
https://www.rescue-center.jp/explanation/sd/

●ビデオカメラのデータ復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/video_camera.html

●ビデオカメラについて
https://www.rescue-center.jp/explanation/video_camera/

●特殊動画ファイルの復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/movie_data.html

●動画復元・修復サービス
https://www.rescue-center.jp/video/

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