データ復旧:トップ > いまさら聞けないパソコン基礎知識 > 無線技術について
無線通信とは、文字通りケーブル(線)を使わずに通信を行うもので、英語ではワイヤー(線)がないという意味で「ワイヤレス」と呼ばれています。無線通信ですぐに連想されるものは、携帯電話や無線LAN、ワイヤレスイヤホンなど、2つの機器が互いに通信するものですが、テレビ・ラジオのような一方通行の放送や、衛星から電波を受信して測位するGPSも無線通信の一種です。
●いまさら聞けないパソコン基礎知識 GPSについて
https://www.rescue-center.jp/elementary/vol30.html
一般的に無線通信には電波が使用されます。電波は波のように繰り返し振動する性質があり、1秒あたりの振動数を周波数と呼びます。1秒あたり1回振動することを1Hz(ヘルツ)と定義されています。
混線を防ぐために通信規格によって使用する周波数帯は決まっていて、たとえば日本における無線LANは主に2.4GHz(ギガヘルツ)や5GHzなどの周波数帯が使用されています。1GHzは1Hzの10億倍で、2.4GHzは1秒あたり24億回の振動に相当します。
無線LANの場合は数十メートル程度の弱い電波しか発しないので、他への影響は少ないですが、携帯電話会社やテレビ局など日本全国に電波を飛ばす必要がある場合は他の通信と干渉しないように特定の周波数帯を占有する必要があります。そのかわり、携帯電話会社やテレビ局は特定の周波数帯を使うための電波利用料を国に納める仕組みになっています。
無線機器は、電波を飛ばす機能を持っていることから、法的には無線ルータやスマートフォンなども無線基地局という扱いになります。本来は、無線基地局を扱うためにアマチュア無線のように免許が必要となります。それだと不便なので、出力をおさえて電波の届く範囲が狭くなるよう制限した製品は無免許で扱えるようになっていて、製品に「技適マーク」がついています。そのため、技適マークがついていない海外製品を輸入して国内で使うと違法となります。ただし、海外からの渡航者は一定条件下で技適マークなしの機器の利用が認められています。
パソコンやスマートフォンで使用される無線技術には、Wi-Fi(ワイファイ)やBluetooth(ブルートゥース)があります。
Wi-Fiは無線LANで使用される通信規格で、日本国内で流通しているWi-Fi対応機器は技適マークがついていて、その基準内に収まるよう低出力の電波しか飛ばせません。広い家だと端の部屋まで電波が届かないことがあります。
Bluetoothは省電力でも動作するため非常に用途が広く、パソコン本体とマウス・キーボード等の接続、スマートフォンとワイヤレスイヤホン・カーナビ等の接続などで使用されています。Wi-Fi同様、Bluetooth機器も無免許で使用できる無線基地局扱いなので、技適マークがついていない製品は国内で使用できません。
より広域で使用される通信規格としては携帯電話通信網で使用されているLTE(エルティーイー)や、広域無線LANで使用されるWiMAX(ワイマックス)などがあります。使用する端末に技適マークがついているのはWi-Fi等と同じですが、端末の通信相手となる基地局は無線免許を持った通信業者が各地にアンテナを設置しているという違いがあります。そのため、Wi-Fiと比べて強力な電波が使用可能となり、広い範囲で利用できます。
LAN(ラン)はLocal area networkの略で、家庭内や職場内で複数のコンピュータが相互にデータをやり取りするための仕組みです。以前はLANケーブルでネットワークを構築する必要がありましたが、配線が必要となりスマートフォンなどケーブルが差し込めない機器では使用できないため、ケーブルが不要な無線LANが普及しています。その無線LANを構築するための技術がWi-Fiです。
Wi-Fiを使った無線LANネットワークを構築するには無線ルータが必要となります。有線LANよりも通信速度は遅いですが、数年おきに新しい規格が登場し、通信速度が向上しています。快適な通信を求めるのであれば、数年おきに無線ルータを買い替える必要があります。
無線ルータのパッケージには「11n対応」「11ac対応」などの表記があります。これは、対応しているWi-Fiの規格を表しています。
具体的にはIEEE(アイトリプルイー)という団体が策定している無線LANの規格である「IEEE 802.11」シリーズのうちのどれに対応しているかを表しています。
最初期の無線LANはIEEE 802.11という名称で、最大通信速度は2Mbps(毎秒2メガビット)という非常に遅い規格のためあまり普及しませんでした。後続規格として実用に耐えられる速度のIEEE 802.11aやIEEE 802.11bが生まれ、一般家庭にも普及するようになっています。
各規格はaからアルファベット順に名前が付けられていて、途中に欠番や通信規格とは異なる技術仕様もあるため一般の製品パッケージで見られるものは一部に限られます。一般的に使われている無線LAN規格としては、11a、11b、11g、11n、11ac、11axがあります。
Wi-Fiで使用される周波数帯は、規格ごとに決められ、2.4GHz帯と5GHz帯が使用されています。
2.4GHz帯は、電子レンジでも使用している周波数帯なので、近くで電子レンジを使用すると通信が切断されたり不安定になったりするという特徴があります。また、Bluetoothなどでも使用しているため混雑しやすい傾向があります。そのため、5GHz帯を使用したほうが安定して通信できます。11nの製品は周波数帯を選べるので、安定しない場合は5GHzで接続すると良いでしょう。
ただし、高周波数のほうが減衰しやすいので、5GHz帯は2.4GHz帯よりも通信距離が短いというデメリットがあります。
有線LANとは異なり、Wi-Fi通信は空間をデータが飛び交うため、盗聴される危険性があります。パスワードなしで誰でも使用できる公衆無線LANは、SSLなどで通信内容を暗号化しないと、悪意のある人が近くにいた場合に通信内容を覗かれる可能性があります。
そのため、使用者が制限される家庭や職場の無線ルータではパスワード認証を設定することが一般的です。Wi-Fiのパスワード認証についてはいくつかの規格があります。
初期の無線LANではWEPという暗号化規格が使用されていました。しかし、WEPには容易に鍵を復元できる脆弱性があり解除ツールも出回っているため、暗号化の意味がない状態となっています。
後継規格のWPAは、TKIPという暗号化方式が取られていますが、こちらも現在では使用することが推奨されていないので、CCMP(AES)という最新の暗号化方式が必須となっているWPA2を使用するのが安全です。
強固な暗号化方式を使っていたとしても、パスワードを知られてしまうとネットワークに侵入されてしまいます。容易に推測される簡単なパスワードは使わないようにしましょう。
●いまさら聞けないパソコン基礎知識 パスワードの管理
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Bluetoothは数メートルから数十メートルの範囲の無線通信に使用される規格で、非常に幅広い用途で使用されています。
Wi-Fiとくらべて、通信距離は短く、通信速度も遅い代わりに消費電力が少ないため、大容量のバッテリーを搭載していない小型の機器を長時間使用するのに適しています。
具体的にはマウス、キーボードなどの入力機器、ヘッドホンやスピーカーなどの音響機器、イヤホンとマイクがセットになったヘッドセット、デジカメ、体重計、スマートウォッチ、カーナビなどでBluetoothが使用されています。
自分のスマートフォンの音が他人のBluetoothイヤホンに流れたりしないよう、接続する機器を特定する「ペアリング」という仕組みが用意されています。Bluetooth機器は最初にペアリングしないと接続ができないようになっていて、2回目以降の接続は電源を入れるだけで自動的にペアリングした相手と接続するようになっています。ペアリングの操作を簡素化するためにNFCを使ってスマートフォンを接触させるだけで登録できるようになっている製品もあります。
様々なBluetooth機器が存在することから、機器の組み合わせによってうまくつながらないなどの互換性の問題が出てきます。その問題を解消するために、プロファイルという仕組みがあり、それぞれの機器がどういった機能を持っているのか分かるようになっています。両方の機器がそのプロファイルに対応していれば、基本的には接続可能です。
たとえば、マウスやキーボードは「HID」、イヤホンは「A2DP」や「AVRCP」、ヘッドセットは「HFP」のプロファイルに対応しています。
Wi-FiやBluetoothに対応したハードディスクやSSD、カードリーダーが販売されています。いちいちケーブルで接続する必要がないので非常に便利です。自宅に置いたまま屋外のスマートフォンとも接続が可能なネットワーク対応HDD(NAS)もあり、データのバックアップに適しています。
こういったネットワーク対応のHDDでも突然壊れることはあります。データレスキューセンターでは様々なHDDのデータ復旧に対応しておりますので、万が一の時はお気軽にお問い合わせください。
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