データ復旧:トップ > メディア解説 > ファイルシステムについて
ハードディスクやメモリーカードなどの記憶装置にデータを書き込む際に、データを管理する方式のことをファイルシステムと呼びます。
ハードディスクの中は、データを記録する部分がセクタと呼ばれる単位で細かく区切られています。ハードディスクの中にある1枚の写真を表示するときに、実際にハードディスクのどのセクタに書き込まれているか、使う人が意識することはありません。人がデータを操作するときには、写真を保存しているフォルダを開いて、その中の写真ファイルを表示することになります。このファイルやフォルダを使ってわかりやすくデータを管理するための仕組みが、ファイルシステムです。
データを保存する際に、ハードディスク内の一か所にまとまって書き込みが行われずにバラバラのセクタに書き込まれる断片化という現象が起きることがあります。ファイルシステムを経由することで、利用者は断片化を意識することなく、一つのファイルとして扱うことができます。
電子機器でデータを保存する媒体は基本的に何らかのファイルシステムが使用されています。ファイルシステムはOSの機能の一つとなっているので、使っているOSごとに異なるファイルシステムが用いられています。
WindowsのパソコンではNTFSやFAT(FAT32、exFAT)が使用され、MacOSXではHFS+などが使用されています。また、デジカメのメモリやUSBメモリの多くはFATが使用されています。
CDやDVDにもファイルシステムが使用されていて、ISO9660やUDFといった規格が定められています。
OSが対応していない場合は、そのファイルシステムにアクセスすることができないので、例えばMacOSXで使用していたHFS+のHDDをWindowsのパソコンに接続しても読むことができません。異なるOSの間で記録メディアを経由してデータのやり取りを行う場合は、両方のOSに対応しているファイルシステムを使う必要があります。
何らかの理由で、ファイルシステムの情報が壊れてしまうと、中のデータ部分が正常であってもその媒体に保存されたデータを読み出すことができなくなります。そういった場合でも、弊社ではデータを復旧することが可能です。
1セクタあたりの容量を「セクタサイズ」と呼びますが、HDDの場合、512セクタと4Kセクタ(ビッグセクタ)の2種類があります。
1セクタあたり4KBの4KセクタHDDは2009年12月にWesternDigital社が初めて販売を開始し、最近では各HDDメーカーとも4KセクタのHDDを主に生産しています。セクタ間には記録できない領域があるため、512セクタのHDDと比べ、HDD内のセクタ数が少なくなる4Kセクタは効率的にデータが記録でき、同じ容量のHDDでも約10%記録可能な領域が増加します。また、エラー補正機能・耐障害性も向上しています。
ただし、4KセクタのHDDは古いPCやTV・HDDレコーダー等で使用できない場合があります。また、RAIDを構成している環境で512セクタHDDと4KセクタHDDが混在してしまうとRAID構成できないなどの注意点もあります。
上記のような問題を回避するため、Advanced Format Technologyという技術を用いたHDDもあります。これは、物理的には4Kセクタでフォーマットされていて、エミュレーションを行うことでコンピュータからは512セクタに見えるようにしているHDDで、「512E」とも表現されます。512Eセクタのドライブは4KセクタのHDDが使用できない古いOSでも利用可能ですが、オフセットのずれなどにより、特定環境化においてはパフォーマンスが低下する場合があるようです。
HDDの交換が必要となった際には、現在使用しているHDDのセクタサイズを確認して購入するのが望ましいです。 マイクロソフト社のWindowsでの4Kセクタのハードディスクドライブに関するマイクロソフトのサポートポリシーは以下の通りです。