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2012年9月に公開されたWindowsの次世代ファイルシステムです。
マルチボリューム、コピーオンライト、データ整合性の自動チェックと修復などの数多くの機能が設計段階から盛り込まれており、信頼性と耐障害性がとくに向上しています。
しかしNTFSにあったいくつかの機能がまだ実装されておらず、2018年段階ではまだWindows Server 2012などの業務用OS向けとしての利用に留まっています。Windows8.1、Windows10より古いOSでは対応していません。
2017年3月に公開されたmacOSおよびiOS向けの次世代ファイルシステムです。
ReFSと同じく、設計段階から数多くの機能が盛り込まれており、信頼性と耐障害性が特に向上しています。
macOSでは10.13(High Sierra)、iOSでは10.3から正式に採用されています。macOS10.12(Sierra)より古いOSでは対応していません。
FATは歴史が古く、Windowsの前身であるMS-DOSでも使用されていたファイルシステムです。もともとはフロッピーディスク上で使用するためのファイルシステムのため、拡張性に乏しく、最大のファイルサイズやフォルダ内のファイルの数などでさまざまな制限があります。
長いFATの歴史の中で拡張が行われ、制限は次第に緩和されていくことになりました。現在主流になっているのはFAT32ですが、これは、最大でも2TBまでの領域しか扱えず、1ファイルあたりの容量も4GBまでの制限があります。大容量のHDDや長い動画データはこの制限を超えることがあるため、デジカメのメディア向けにexFATが普及し始めています。exFATは実質的に容量の制限がないため、FAT32よりも大きなデータを扱えるようになりました。また、Windowsで使用するHDDはNTFSが主に使用されています。
WindowsとMac OSの両方で使用可能なので、USBメモリなどはFAT32でフォーマットしているとデータのやり取りが容易になります。
NTFSはWindowsで用いられるファイルシステムで、NTFSのNTはWindowsのバージョンの名称であるWindows NTからとられています。
FATには備わっていないアクセス制限や、暗号化などの機能が追加されています。
一般家庭向けとしては、Windows XP以降でNTFSに対応し、現在Windowsで使用されるHDDの多くがNTFSでフォーマットされています。それまで主流だったFAT32と比べると、容量の制限が少なく、データ領域も破損しづらいと言われています。
FATとは異なり、基本的にWindows専用のファイルシステムとなっているため、ほかのOSとのデータのやり取りには使用できません。
HFSはMac OSで使用されているファイルシステムで、「Mac OS標準フォーマット」とも呼ばれています。Mac OS X以降では機能が拡張されて、HFS+になりました。こちらは「Mac OS拡張フォーマット」と日本語では呼ばれています。
基本的にMac専用のフォーマットのため、Windowsとの互換性はなく、HFS+でフォーマットしたハードディスクをWindowsで読むことはできません。
ISO 9660はCDやDVDなどの光学メディアで使用されるファイルシステムです。もともとはOSのメーカーとは無関係に作られたものなので、特定のOSに依存しないオープンな規格となっています。
ただし、作成されたのが1988年で、当時の基準で定められた規格なのでファイル名などの制限が多く、使いづらいため拡張されていくことになりましたが、マイクロソフトもアップルも独自に拡張したため、使用できる環境が限られています。
マイクロソフトはISO 9660を拡張し、Jolietという独自規格を作成しています。ISO 9660との互換性は保たれていますが、Mac OSでの利用には制限があります。同様に、アップルはApple ISO9660 Extensions を作成しています。こちらはほぼMac OS用の独自規格となっています。
UDFはユニバーサルディスクフォーマットの略で、ISO9660の後継にあたるファイルシステムです。DVDやBlu-rayディスクで使用されています。
どのOSでも読み込めるように作られたので、ISO9660のようにOSのメーカーによる独自の拡張規格が複数作られることはないですが、いくつかのリビジョンがあり、少しずつ機能が追加されています。最新のリビジョンは2.60で、BD-Rに対応していますが、OSによっては古いリビジョンま でしか対応できないものもあります。
Linuxでは様々なファイルシステムが使用されていますが、その中でもextとXFSが有名です。
extはextended file systemの略で、Linuxで昔から使用されているファイルシステムです。ext1/ext2/ext3/ext4などのバージョンがあり、様々な機能追加が行われています。現在はext4が主流となっていますが、各バージョンはある程度の互換性が保たれているので、拡張機能を使わない場合はext4のドライブをext3のドライブとして使用することが可能です。
XFSも同様にLinuxで使用されています。extより大規模データの扱いに適していると言われます。
Linuxをお使いの方でなくても、ネットワーク接続型HDD(NAS)をお持ち場合は知らないうちにこれらのファイルシステムを使用していることが多いです。NASの内部ではLinuxが動作しているためです。
WindowsやMacでextやXFSは使用できません。そのため、LinuxベースのNASのハードディスクをパソコンに接続しても中身を読むことはできません。