パソコンでハードディスクやSSDなどの記録メディア利用する場合、複数の領域に分割して利用されている方も多いと思います。複数の領域に分割すること、あるいは、分割されたそれぞれの領域は「パーティション」とよばれています。領域を切り分けるので、パーティションを作成することを、「パーティションを切る」などの表現も使われることがあります。
ただ、パソコンで利用する際に、「メディア」や「パーティション」以外にも「ディスク」「ドライブ」など、さまざまな呼ばれ方をする事があるため、混乱してしまうことがないでしょうか。今ではほとんど同じものを指す言葉として使われていますが、それぞれ呼び方が分けられているのには理由があります。呼び方による違いを理解することで、パソコンを上手に管理/利用ができるのではないでしょうか。
データを記録・保管・伝達するための媒体をメディアと呼びます。コンピューターが誕生する前の手紙やカセットテープ、電話、放送電波もメディアの一種です。パソコンでは、フロッピーディスクやCD、ハードディスク、USBメモリなどがメディアとして使用されます。パソコンで使用されるメディアをデータメディア、電子媒体と呼ぶこともあります。
フロッピーディスクやCDは、形状が円盤状なので「ディスク」と呼ばれます。一方、ディスクに読み書きする装置は「ドライブ」と呼ばれます。HDD(ハードディスクドライブ)は、円盤状のディスクと読み取り装置が一体化しているため、両方の名称がつけられています。SSDやSDカード、USBメモリなどは円盤部分がないため、ディスクと呼ばれることはありませんが、読み取りができない場合にOS側で「ディスクを挿入してください」とエラーが表示されることがあります。これは以前の記録メディアの名残です。
ハードディスクやメモリーカードにデータを書き込む際の記録方式をファイルシステムと呼びます。OSごとに対応しているファイルシステムが異なるため、購入したハードディスクを使用する際には、OSに適したファイルシステムで初期化(フォーマット)を行う必要がありますが、現在市販されているハードディスクやUSBメモリはNTFSやFAT32など、Windowsで一般的なファイルシステムでフォーマット済みです。
Windowsでパーティションの情報を制御する規格にはMBRとGPTがあります。
MBR(マスターブートレコード)は、以前主流だった規格です。起動時に最初に読み込まれる「ブートストラップローダ」と、パーティション構成情報を持つ「パーティションテーブル」がハードディスクのマスターブートレコード領域に書き込まれています。MBRには「1パーティション最大2TBまで」「基本パーティションはHDD内に最大4つまでしか作成できない」という制限があり、制限を超える容量のハードディスクではせっかくの大容量を利用することができません。それを解消するために新しい規格がでています。
新しい規格の一つであるGPT(GUIDパーティションテーブル)では、MBRでの制限はほぼなくなりました。特に大きく変更されたのは、利用可能なディスクの容量とパーティションの数です。ディスクの容量は8ZB(ゼタバイト)まで扱えるようになり、Windowsでは128 個のパーティションが作れるようになりました。ちなみに、1ZB=1,024EB(エクサバイト)、1EB=1,024PB(ペタバイト)、1PB=1,024TB(テラバイト)となり、1ZBは1TBの約10億倍となります。
使っているハードディスクがMBRとGPTのどちらを使用しているか、Windowsのディスクの管理から確認することができます。Windowsの場合は「ディスクの管理」画面は、以下の手順で起動します。
1.「スタート」→「コントロール パネル」の順にクリックします。
2.「システムとセキュリティ」をクリックします。
3.「管理ツール」をクリックします。
4.「コンピューターの管理」をダブルクリックします。
5.画面左側の「ディスクの管理」をクリックすると以下の画面が出てきます。
6.図1の赤で囲った部分を右クリックしてプロパティをクリックします。
7.画面上部のボリュームをクリックすると、「パーティションのスタイル」にMBRまた
はGPTと表示されます。
パーティション情報に障害が発生すると、そのパーティション全体が読めなくなります。障害が発生した際には以下のようなメッセージが表示されることがあります。
フォーマット情報が破損していたり、メディアそのものが破損していたりして、フォーマットを行わないとメディアが使用できない状態に表示されます。このメッセージが出たときにフォーマットを行うと、データが消えることになります。
ディスクが存在するにもかかわらず、このエラーメッセージが出る場合は、正常にディスクが読み込めていない状態となります。USBメモリやSSDのようにディスク(円盤)を搭載していないメディアでもこのエラーメッセージが表示されることがあります。
メディアやディスク自体にはアクセスできている状態ですが、ファイルの情報が破損していてアクセスできない状態です。
メディアにエラーが発生していて、正しくアクセスできない状態です。チェックディスクというプログラムを使って修復を行うことで、アクセスできる可能性はありますが、その影響でデータが破壊される可能性があるため、お勧めできません。
上記のようなパーティションやフォーマット情報等のトラブルが発生した各種デジタルメディアからのデータ復旧が可能ですので、お困りの際はお気軽にデータレスキューセンターまでお問い合わせください。