携帯、デジカメで撮影した写真やパソコンに保存している写真データを一覧表示で見ているときは正常だったのに、実際に開いてみると破損していたということはありませんか?
同じ画像なのになぜこのようなことが起こるかというと、一覧表示の画像はサムネイル画像と呼ばれていて実際の画像とは異なるデータだからです。
サムネイル画像は、親指(サム)の爪(ネイル)のように小さい画像という意味で、実際に撮影した画像から解像度を下げたり、圧縮したりするなどの手法で、ファイルサイズを小さくしたデータです。情報量が少ないので読み込みが早く、一覧表示で多くの画像を素早く見ることができます。
写真データだけでなく、ビデオカメラなどの動画の一覧を表示するときもサムネイル画像が使用されています。動画の冒頭の部分だけを静止画として切り出して一覧表示します。 他にもサムネイル画像は、インターネットのページの表示を軽くする事にも使用されています。大きなサイズの画像をホームページに載せてしまうと読み込みに時間が掛かってしまいますが、サムネイル画像を表示することでインターネット回線の負担が少なくなります。ニュース記事などに添えられた小さなサイズの画像をクリックすると大きなサイズで表示されるのも、この方法を用いています。
サムネイル画像データの保持方法は、画像ファイルそのものの中に埋め込まれることもありますが、別のフォルダに画像データとして保存される方法と、サムネイル用のデータが同じフォルダに保存される方法が多いです。
撮影するアプリにもよりますが、基本的には撮影した写真とは別の場所「.thumbnails」フォルダなどに画像ファイルとしてサムネイルデータが作成されます。写真を撮影するときに自動作成され、フォルダも隠しフォルダになっているので、通常使用しているときはサムネイル画像の事を意識することはありません。
Windowsの場合は、表示方法を切り替えるだけで一覧表示ができるようになるサムネイル機能があります。画像ファイルとしてサムネイル画像が作成されるのではなく「Thumbs.db」というファイルが1フォルダに1つ自動作成されて、その中にデータが格納されます。一度でも一覧表示すると次回以降はこのファイルを参照することでの表示が速くなります。Thumbs.db は隠し属性なので、普段見ることはありません。
Macの場合は、標準の「写真」アプリで取り込んだ画像の管理、編集が行えます。写真アプリのデータは一つのファイルにまとまって表示されていますが、実態は細かいフォルダに分かれていて、サムネイル画像は「Thumbnails」フォルダの中に作成されます。
写真データを一覧で確認ができて便利な機能ですが、実際の画像とは違う画像を表示していることもあります。
一覧表示では正常に見えている画像を、実際に開いてみると破損していることがあります。これは「Thumbs.db」が作成された時点では正常だった画像が、その後破損してしまったのが原因です。一度サムネイルが作成されるとその後は「Thumbs.db」を参照して一覧表示を行うためこの様な状況になります。
また、一覧表示にある画像を展開したところ表示されないことがあります。これは、一覧表示のためのサムネイル画像が「.thumbnails」に残っているにもかかわらず、画像の本体が削除されている場合に発生します。下図のように「.thumbnails」には画像が存在していて、「Pictures」フォルダ内の画像が消えてしまっている場合は、一覧画面では表示されますが実際には開けません。
他にも写真が破損した場合や、写真が記録されているmicroSDカードが認識しなくなった場合も、一覧表示は正常でもエラーで開けないことがあります。
元のファイル情報自体が上書きされて破損している場合には復旧不可能となるケースもありますが、サムネイル画像だけが表示されてしまう場合のデータ復旧にも対応しておりますので、何かございましたらデータレスキューセンターまでご相談下さい。
● 関連リンク
サムネイル表示だけはされるが、デジタルビデオカメラ上で動画を見ることが出来ない。パソコンにデータを取り込むこともできない。
元の画像ファイルのデータに欠損が生じていても、サムネイル画像のデータは無事に残っているケースがしばしばあり、このサムネイル画像を復旧するという対応も可能です。