ファイルやフォルダにはそれぞれ作成日時や更新日時情報等のタイムスタンプを表す属性情報がついています。
Windowsではプロパティダイアログを開いたときに表示される項目ですが、エクスプローラーの表示項目を設定すると一覧上でも確認できます。直近に作成・更新した新しいファイルやフォルダがどこにあるのか、あるいは順番を並び替えたりすることで、確認がしやすくなります。
ファイルやフォルダが新たに作成された時につけられます。
コピーや移動をした際の日時の変更については、ファイルフォーマットによって変わります。
最初は作成日時と一致していますが、ファイルが上書き保存されたときや、フォルダ直下のファイルに変更があった際に更新されます。
一部のアプリケーションは実際にファイルを上書き保存しなくても、開くだけキャッシュファイルなどを自動で作成するので更新日時が変更されることがあります。
Windowsの場合、本来はファイルへのアクセス時に(保存などをしなくても開くだけで)日時が更新される機能でしたが、パフォーマンス上の理由等から、Windows Vista以降のOSではアクセスしただけでは更新されないように設定が変わっています。
Macでも隠し項目になっていますが、アクセス日時情報が保有されています。こちらもファインダー上で表示しただけで更新されることがあるため、何かの参考にするのは難しい情報となります。
また、これらの情報はファイルフォーマット上で管理されているため、OSやバージョンが異なると移動やコピーをした時の更新条件が変わってくるので注意が必要です。
NASに良く利用されているLinuxもファイルフォーマットがWindowsやMacとも異なるため、WindowsやMacで作成したフォルダ・ファイルをNASにコピー・移動する際の更新日時情報等のタイムスタンプの整合性が保証されていません。
以上のように、「最近更新・作成したフォルダ・ファイルを抽出する」といったことや、あるいは逆に「1年以上更新がないファイルの一覧を抽出する」というのはある程度の範囲では可能なのですが、一部のフォルダ・ファイルで想定通りの日時になっていない場合があります。
そのため属性情報にあるタイムスタンプはある程度の参考にするという程度に留めておいた方がよいでしょう。
また、管理情報上で一元的に扱われているということのデメリットはもう一点あり、何らかのトラブル発生時(例えばフォルダ情報が破損したり、誤削除したり等)にデータを復旧した場合、それらの情報がクリアされてしまうことがあります。
そもそも参考情報程度にしかならないという点に加えて、属性情報そのものが損失していることがあるため、例えば大量のデータを削除してしまった場合等で、「直近1年間で作成・更新されたデータだけを選んで復旧する」というような対応は非常に難しいことになります。
管理情報で一元的に扱われていない、個々のファイルの内部に保存されている特殊な日時情報というものもあります。
一般的に広まっているのは、写真画像でよく利用されているExchangeable image file format、略称はExifで「エグジフ」(もしくは「イグジフ」)と呼ばれています。
富士フイルムが提唱し、その後統一規格となったフォーマットで、現在では携帯電話等も含むほぼ全てのデジタルカメラが対応しており、下記のような各種条件情報が画像データ内に直接埋め込まれており、ファイルのプロパティや一般的な画像ビューワーで確認することができます。
Exif上の日時情報は、撮影した瞬間にファイル内に埋め込まれています。
専用のソフトを使えば変更は可能ですが、データを復旧した際など意図せずに変わってしまうということはまずありません。また個々のファイル内部に保持されているので、OSやファイルフォーマットの影響も、トラブル発生時の情報欠損もありません。
ただし、注意点としては、機種依存のローカルタイムで記録されるので、例えばカメラの日時設定が間違っていると、埋め込まれる日時も間違ったものになります。あるいは海外旅行などタイムゾーンをまたいだ先で撮影した場合等も同様なのでご注意ください。
このようなファイル内部に直接的に属性情報を埋め込むという方式は、他のファイル形式でも利用されているケースがあります。
具体的にはMicrosoft OfficeのExcelやWordのファイル、他には各種ビデオカメラで撮影された動画ファイルなども、同様の各種の属性情報を保持しています。
ただし写真画像のフォーマットとしてほぼ世界標準の規格となっているExifとは異なり、各メーカー単位が独自のルールでそれぞれ作ったものなので、一般的には利用しにくい状態となっています。