USBメモリについて|データ復旧

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USBメモリについて|データ復旧

USBメモリの歴史概略

USBメモリは「USBフラッシュメモリ」「USBフラッシュドライブ」などとも呼ばれ、その名前のとおりパソコンのUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポートに接続するタイプの外部記憶装置です。パソコンのUSBポートに差し込むだけでデータの読み書きができる手軽さが評価され、パソコン側にドライブが必要なフロッピーディスクやCD-R、MOなどの記録メディアの代わりとして広く普及しています。パソコンショップや家電量販店だけではなく、一部のコンビニエンスストアやスーパーなどでも見かけるほどです。

USB規格には、USB Mass Storage Classという補助記憶装置を接続するための仕様があり、この仕様に対応した機器及びオペレーティングシステムであれば、特別なドライバを改めてインストールすることなく、装置をUSBコネクタに接続することで直ちに補助記憶装置として認識することができます。この仕組みを用いたのがUSBメモリです。

データの記録にはフラッシュメモリが使用されています。記憶容量は年々増加傾向にあり、現在では最大2TBのものまで発売されています。フロッピーディスクやMO、CD、DVDのように専用の読み取り装置を必要としないため、接続時の利便性が高い上、モーター回転部などの駆動部がないため衝撃に強い、小型で可搬性に優れるといった利点がありますが、その一方で、原理あるいは性質上、情報を長期に渡って保存したり書き換え頻度の高い用途での使用には適さない記録媒体でもあります。

市場には2000年頃から出始めていますが、当時は32MB程度のものでも5000円程度の価格となっており、主力OSだったWindows98などではUSBドライバを別途用意する必要があったり、転送速度も遅いなど利便性は決して高くはない製品で、データの持ち運びはそれまでの主流だったフロッピーディスクからMOやCD-Rなどに取って代わられつつある時期でした。それ以降容量が倍々で増えた上に価格が大きく下がったこと、そしてUSBドライバが標準装備されたOSが一般的になった事から急激にシェアを伸ばし、現在ではSDカードとともに、持ち歩ける大容量フラッシュメモリの主力メディアとして用いられています。

補助記憶装置としての機能面で製品の差別化を図ることが難しいため、データの読み書き速度を向上させた製品や、セキュリティ確保のために暗号化や指紋認証機能を備えた製品、食品やキャラクターなどをかたどったデザインに趣向を凝らしたユニークな製品等が登場しています。

また、当初は記憶データ量が少なかったことから、主にパソコンに保存されたデータを持ち運ぶ際に利用されていましたが、大容量化に伴い、データ保存場所としてUSBメモリを活用する人も増えています。そのため、重要なデータを持ち運ぶ事が多くなり、USBメモリの紛失による情報漏えい事件が報道されることも多くなっています。

よく「パソコンにデータを保存しすぎると動作が重くなるのでUSBメモリに保存する」と誤解されている方がいらっしゃいますが、データが多くてもパソコンの動作が遅くなることはありません。データの安全性を考えると、パソコン本体にデータを保存し、持ち運ぶ必要のある時だけUSBメモリにコピーすることをお勧めします。

USBメモリの主なメーカー

現在、多くのメーカーがUSBメモリを製造/販売しています。バッファロー、ソニー、IOデータなどの国内メーカーは高速化や暗号化などの付加価値を付けた高額商品が主力ラインナップとなっています。一方、キングマックス、キングストン、トランセンドなどの海外メーカーは低価格品を主に販売しています。

USBメモリの製品のタイプとしては次のようなものがあります。

・通常型:特に特徴はなく、リムーバブルメディアとして基本的なタイプ。他のものより安価。

・高速型:データの読み書きが速い。ただし、接続するUSBポートの転送速度を超えることは出来ません。

・セキュリティー対応型:セキュリティ対策として、暗号化や指紋認証、ソフトウェアによるロック機能、ハードウェアロック機能のある製品。また、ウイルス対策が施されたものもあります。

・ユニーク型:カラーバリエーションが豊富なものや、キャラクター、食品サンプルなどの外装になっている個性的なものもあります。

暗号化に対応したモデルは、情報漏洩を防ぐという面では強みがありますが、何らかの障害が発生した際にデータが復旧できる確率が通常のUSBメモリよりも低く、情報消失のリスクは大きくなります。USBメモリに限った話ではありませんが、その媒体にだけデータを保存するのではなく、複数の媒体にデータを保存することを推奨します。

また、USBメモリは端子部分さえ規格に沿っていれば、他の部分の形状に制約がないため、凝ったデザインのものが多く販売されています。寿司の食品サンプル、キャラクタフィギュア、キーホルダー、時計、ボールペン、万能ナイフなどとUSBメモリが合体した商品が作られています。USBコネクタのサイズとほぼ同じ大きさの非常に小さなタイプのUSBメモリもよく見かけますが、小型タイプのUSBメモリの中には通常の記録チップの代わりにmicroSDカードが内蔵されているものもあります。

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