NASに搭載されているHDDが故障した場合、当然ですがデータが読めなくなります。RAID構成で冗長性を持たせている場合は、1台のHDDが壊れてもデータを読むことは可能ですが、そのまま使用を続けて他のHDDが故障した場合はデータが失われます。
1台のパソコンだけで使用する外付けHDDと比較して、複数のパソコンから同時にアクセスし、基本的に24時間動かし続けるNASは故障のリスクが比較的高いと言えます。
HDDは正常でも、NASの本体が故障してしまった場合はデータにアクセスできなくなります。
そのままHDDを取り外して別のパソコンに接続しても、データの書き込み形式が特殊なため読み取ることはできません。特にRAIDを使用している場合はRAIDの状態を再現する必要があります。
RAID構成のNAS、シングル構成のNAS、全てのデータ復旧に対応しておりますので、HDDの故障、NAS本体の故障時にはデータレスキューセンターにご相談ください。
RAIDの設定を管理画面から切り替えることができますが、多くの場合はRAIDの切り替え時にフォーマットも同時に行うため、データを失うことになります。
Windowsで使用しているHDDと比べ、NASにおける誤フォーマットはデータの痕跡が残りにくく、ヘッダー切り出しでの復旧となります。
ヘッダー切り出しでのデータ復旧は、ファイルの特徴を元にディスクの全領域から、データと思われる部分を強制的に切り出す手法です。そのため、本来のファイル名やフォルダ名が一切取得できず、実際にデータを開いてみるまでファイルの内容が分からない状態となります。
一般的ではない特殊なファイルの場合はこの手法が使えない場合があります。
RAIDを搭載したNASの多くは、「ホットスワップ」という機能が備わっています。これは、電源が入ったままの状態(ホット)のまま、HDDの交換(スワップ)ができる機能です。
たとえばRAID5構成の場合、1台分の冗長性がありますので、ホットスワップ機能がついていれば、HDDが1台壊れても電源を切らずに交換することができます。ただし、RAID構成のリビルドが行われている間にほかのHDDが壊れることがあるので、先にバックアップを行ってから交換を行うことをお勧めします。
また、RAID構成のモデルで「ホットスペア」という機能が使用できるものがあります。たとえば、4台のHDDが搭載されたモデルで3台構成のRAID5を構築すると、1台のHDDが余ることになりますが、これがホットスペアです。電源が入った状態(ホット)の予備(スペア)という意味です。
ホットスペアがある場合は、物理的なHDDの入れ替えを行わなくても、RAIDを構成するHDDの交換が可能です。故障発生時に自動的にホットスペアと故障HDDを入れ替える機能もあります。
LinkstaionおよびTerastationには、エラー内容を表示する液晶が搭載されたモデルがあります。
主なエラーとしては以下のものがあります。
エラーコード | エラー内容 |
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E00 | MPU(マイクロプロセッサ)の異常 |
E01 E02 | メモリの異常 |
E03 | 内部時計の異常 |
E04 E05 E06 | 内部ソフトウェアの異常 |
E11 | 冷却ファンの異常 |
E12 | 内部温度の異常 |
E13 | RAIDを構成するHDDが読み込めない状態 |
E14 | RAID構成が読み込めない状態 |
E15 | HDDの故障、I/Oエラー |
E16 | HDDを認識していない状態 |
E17~E21 | 基板の故障 |
E22 | HDDのフォーマット異常 |
E23 | HDDの故障 |
※エラー内容は、モデルにより異なる場合があります。説明書でご確認ください。