RAIDについて|歴史、種類、構造、障害、メーカーなどの解説|データ復旧

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RAIDについて|データ復旧

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)の歴史概略

RAIDは、1988年にカリフォルニア大学バークレー校のDavid A.Patterson氏、Garth Gibson氏、Randy Katz氏の3人による共同論文「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks」にて誕生しました。

この共同論文の頭文字を取って、RAIDという名前も名づけられました。
ちなみにこの論文のタイトルを直訳すると「安価なドライブを組み合わせることで冗長性を持たせる仕組み」になります。

論文のタイトルの直訳通り、もともとRAIDとは、容量がそれほど多くないハードディスクドライブを複数組み合わせ、大容量化、冗長性を確保する事が目的です。冗長性の確保とは、元々は必要とはしない余分なものを組み合わせて使いやすくするという事を言います。

当時は信頼性が高く、大容量のHDDが高額であり、「安価な」HDD(容量が小さいもの)を使用して低コストで大容量のディスクアレイを構築することを目的とされていました。その為、「Inexpensive(安価な)」という単語が使用されています。現在ではHDDの価格も下がり、コスト削減よりも安全性の向上を目的としたものとなってきており、「Independent(独立した/個別の)」という単語が使用されることも増えてきています。

論文にはハードディスクの構成によって、RAID 1からRAID 5までの5種類が定義されています。また、論文では提案されていませんが、ストライピングの場合もRAIDの一種とみなされ、これは冗長性が確保されないことからRAID0と呼ばれるものとなります。

はじめに定義された6種類のうち、RAID2はほとんど利用されず、RAID3、RAID4もRAID全体の中では少数派となりました。今日では主にRAID0、RAID1、RAID5、およびこれら3方式の組み合わせが用いられています。後にRAID5を拡張したRAID6が定義され、RAID5より耐障害性が必要な場面で利用されています。

ソフトウェアRAIDとハードウェアRAID

RAIDは複数のハードディスクを一つに束ねたシステムですが、その管理や制御をOSやソフトで行う「ソフトウェアRAID」と、RAIDコントローラと呼ばれる装置側で行う「ハードウェアRAID」があります。

ソフトウェアRAIDは、専用の装置を用いないため安価に導入できます。その反面、RAIDの制御をパソコン・サーバー本体のCPUを使って行うため、どうしてもパフォーマンスが低下します。特に、パリティの計算が必要となるRAID5やRAID6では、著しいパフォーマンスの低下が発生します。そのため、ソフトウェアRAIDは、シンプルなRAID1/0/1+0が使用されます。また、ソフトが起動するまでRAIDアレイとして動作しないため、起動用のドライブとしてソフトウェアRAIDを使用することは出来ません。

一方、ハードウェアRAIDではRAIDコントローラに制御用に専用のCPUとメモリが搭載されているため、システムへの負荷は発生せず、OS側からはRAIDシステム全体が一台のHDDとして認識されます。ソフトウェアRAIDとは異なり、起動用ドライブとして使うことも可能です。専用の機器が必要となるため、ソフトウェアRAIDよりは導入コストが高額となります。

RAIDコントローラは、NASの場合はNAS本体の基板に搭載されています。サーバーに内蔵するRAIDの場合はRAIDボードと呼ばれる機器が搭載されている場合と、マザーボードにRAIDコントローラが搭載されている場合があります。

つまり、ソフトウェアRAIDのほうが低コストで手軽に導入できますが、安定性と信頼性を考えるとハードウェアRAIDを選択するほうが有利といえます。

RAID(NAS等)のメーカー

RAID構成のパソコンは、古くから企業向けに販売されていました。 主にサーバー用に使われており、データの保守性を高めること、特に障害発生時から速やかに環境を回復させることを目的としており、現在でも様々なサーバーに使われています。 最近ではパーソナル向けのノートPCでも使われているものもありますが、こちらは記憶媒体の容量を大きくさせるために使われていることが多いようです。

国内では2004年頃から、当初は一部のコンシューマ向けに画像・動画データを格納する大容量ファイルサーバーとして開発・販売されだしました。 当時のHDDの容量は最大300GBぐらいでしたので、その時代に500GB〜1TB(テラバイト)の容量で10万円を切るという性能対価格比が高く評価され、専用サーバーを用意しなくても大容量のシステムが構築が可能ということでビジネス用途でも利用が増えていったようです。 その後もデータ転送速度の向上、運用・管理機能の充実、バックアップ機能の搭載などで機能の改良が続けられており、最近では一般家庭内でも複数のPCが使われたり、大容量の動画データなどを扱うことが増えてきたため、パーソナルユーザーにも広まってきています。 特に、NASと呼ばれるネットワーク対応の外付けHDDで、RAID構成で大容量のもの(IOデータのLANDISKやBuffaloのTeraStationなど)が一般に広まっていますが、RAID、NASのデータ復旧はデータの保存形式やフォーマットが特殊等の理由により、通常のハードディスクよりも作業工数が多くかかり、難易度も高いため、データ復旧費用も高額になる傾向にあります。

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